2016年7月28日木曜日

160725 統合失調症患者の麻酔(研修医の先生)

術前3日前から内服薬を中止した患者では術後譫妄が生じやすい、直前まで投与している方が譫妄が生じにくい

長期抗精神病薬内服患者の低体温の患者のリスクが高い

術後イレウス薬剤の抗コリン作用により腸管の運動低下をきたし、この状態が続くことによって腸管壁が薄くなり、腸管運動が低下する

認知障害と術後譫妄
統合失調患者の認知障害は発症初期からすでに発症していることが多い
術後の疼痛反応が異常
電流閾値高い:NMDA受容体の低機能や抗精神病薬の内服の影響で痛み刺激に感受性が低い
一方で疼痛刺激に対する異常反応がある


160726 上気道の構造と気道確保(研修医の先生)

鼻腔
おもに軟骨に校正されていて各軟骨部分の周囲には鼻粘膜が存在する
鼻腔が狭窄する原因:軟骨、粘膜の問題

上咽頭
後鼻孔から軟口蓋下端まで
鼻呼吸では軟口蓋が舌と密着して上咽頭が広がる
口呼吸では軟口蓋は上方へと挙上し、上咽頭が閉塞する

上咽頭が狭窄する原因
軟部組織の問題、筋力の問題(鎮静薬による:下顎挙上により解除できる)

中咽頭
中咽頭が狭窄すると鼻呼吸、口呼吸とも困難になる
覚醒時は上気道開大筋の働きにより開通性は保たれる
深い鎮静などにより脳神経が抑制されると閉塞

下咽頭:喉頭蓋の上端から食道入口部まで
下咽頭の変化が上気道管理に多きな影響を及ぼすことはない

喉頭は靭帯で舌骨にぶら下がっているだけの状態で、可動性が高い
喉頭内への腫瘍の浸潤などでは下顎挙上などの外部操作は喉頭内部の構造に影響しない

2016年7月24日日曜日

160722 肥満患者の麻酔(研修医の先生)

OSASの60-90%は肥満

病的肥満患者の約5%が閉塞性睡眠時無呼吸を有する

消化器への影響

脂肪組織が1kg増えるごとに心拍出量0.1l/min増加する

2016年7月20日水曜日

160720 術後シバリング(研修医の先生)

36.8度
マグネシウム20mlでシバリング消失した症例

能動的血管拡張反応、発汗、血管収縮、シバリング

術後シバリングの発生率11.6%

人工物挿入のリスク

NSAIDSはシバリングの閾値を下げる

非体温調節性のシバリング:レミフェンタニルを急に中止した際に起こる退薬症状
疼痛刺激によるシバリングセットポイント

シバリングによる悪影響:創部の緊張をもたらす

閾値を上昇させないために疼痛管理にopioid transitionは重要

2016年7月14日木曜日

160714 内頚静脈穿刺の機械的合併症

全体では9.0-15.0%

鎖骨下静脈や大腿静脈より頻度が少ない
カテーテルの位置異常(0.8-14%)
頸動脈誤穿刺(0.5-11.4%)
動脈へのカテーテル誤挿入(0.1-0.78%)→脳梗塞の発生
血腫(0.8-3.3%)
気胸(0-1.3%)

160621 酸素療法

酸素解離曲線:前酸素化はできるだけ右の方に状態を持っていく

呼吸療法における加湿の必要性
乾燥すると気管繊毛上皮細胞障害、粘膜繊毛運動障害
絶対湿度:空気1l中に含まれる水蒸気量
正常呼吸中の気道内湿度:吸気で肺胞で上昇

160623 CHD患者の非心臓手術

元気かどうか
遊べるか
チアノーゼあるか

啼泣時のSpO2
Qp/Qs 肺血流増加しているか減少しているか

麻酔管理で肺血流は変化する
PVR増加
高いヘマトクリット

自発呼吸の方が 肺血管抵抗は低い

160628 麻酔と低体温

体温調節中枢

熱移動の3原則

閾値間域:麻酔薬で10-20倍に増加する

覚醒後、加温しても改善しない

術後心血管イベント、結腸切除で死亡率4倍という報告

PEEPをかけて心肺部圧受容体を介し交換神経刺激で血管収縮

血管収縮閾値温度が上方へシフト

legup  positionは逆に低体温になりやすい

160707 Waterfall現象

肺動脈圧>肺胞内圧>肺静脈圧

Zone2 下方に向かって肺動脈圧は高くなるが、肺胞内圧はほとんど変化しない
血流量は下方ほど増加する
肺動脈圧:川の上流の圧
肺胞内圧:ダム
肺静脈圧:下流の圧
血流量は上流とダムの高低差に依存し下流の圧には依存しない

160708 偶発症

心停止症例数における年齢とASAPSの関係
合計524例 年齢が上昇すると悪くなる、ASAPSが上昇すると悪くなる

麻酔管理が原因17例
麻酔薬の過量投与
気道確保の不適切

後遺症がないのは153例

160711 DPC保険診療

Diagnosis procedure Combination

14桁のコード

最初の6桁は医療資源を最も投入した疾病名
ICD10に対応

2桁主要診断群

出来高部分:手術、麻酔、放射線、精神科の治療など
E,Fのファイル 患者レベルの違いを反映 在院日数が増えるほど減る

麻酔科医に求められること

160712 IABP

適応 心原性ショック

禁忌

左鎖骨下動脈より2cm末梢

サイズの選択身長で決める

ディクロティックノッチより後でバルーンを拡張する

2016年7月4日月曜日

160614 新生児のロピバカイン毒性 症例報告

α1-AAG 新生児乳児減る

仙骨硬膜外投与
10mg/kg

血清ロピバカイン濃度
20分後 6 μg/ml
8時間後 1.2 μg/ml
14時間後 0.6μg/ml

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20645946Anaesthesia. 
Hübler M, Gäbler R, Ehm B, Oertel R, Gama de Abreu M, Koch T.
Successful resuscitation following ropivacaine-induced systemic toxicity in a neonate.
Anaesthesia. 2010;65:1137-40.

160704 術中の尺骨神経麻痺の予防

①上肢を体側に置く時→前腕は中間位から回内位
②上肢を外転する時→前腕は中間位から回外位
③手台にはパッドをおくことが推奨される
④自動血圧計は、肩に近い部分で巻く

少し古いですが
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10201678

160704 HPV hypoxic pulmonary vasoconstriction

メカニズム
カリウムイオチャネルンが閉じてカルシウムが流入して血管収縮する
HPVの二相性の経過
1相数分以内に始まり15分で最大

一度低酸素になったら再度低酸素となった場合のHPVが生じやすくなる

加齢により減弱
鉄の静脈投与により減弱

増強;カテコラミン、アルミトリン(肺血管収縮薬)

アシドーシスでは換気肺も血管収縮し、アルカローシスでは換気肺も血管拡張いずれにせよ血液分配がうまくいかない

心拍出量を適切に保つ

硬膜外麻酔ではHPVを弱まる?エビデンスは十分ではない