2016年11月27日日曜日

161125 悪性高熱症

悪性高熱症 骨格筋細胞のカルシウムの放出を異常に更新させ筋小胞体内のカルシウム濃度が上昇する 筋収縮が異常に持続し続けATPの消費も異常に亢進 筋小胞体へのカルシウム取り込みに伴うATP消費も増大する ATP異常消費による高熱 10万人に1-2 男女比3:1 遺伝的な骨格筋疾患 死亡率2000年以降では15% ダントロレンを使用した症例の死亡率10%以下 RyR1はセントラルコア病期CCDの原因遺伝子 McCarthy TV. Ryanodine receptor mutations in malignant hyperthermia and central core disease. Hum Mutat. 2000;15:410-7. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10790202 Stephens J. Functional analysis of RYR1 variants linked to malignant hyperthermia. Temperature (Austin). 2016;3:328-339. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=PMID%3A+27857962 CCDは悪性症候群ど同様に常染色体優性遺伝による疾患 症状 診断基準 対処:エマージェンシーコール ダントロレン専用の末梢ライン確保 高流量の酸素投与 全身冷却 冷却用の生理食塩水投与 1.0mg/kg可能であれば2.0mg/kgを投与する 素因者診断の件さ結果が陽性であれば緊急手術の際の麻酔科医に素因者であることを伝えるために悪性高熱症友の会のペンダントやIDタグを身に着けるhttp://jmha.la.coocan.jp/

2016年11月25日金曜日

161124 PLR passive leg raising (研修医の先生)

体液量評価
毛細血管充満時間
小児、成人男性2秒以内、成人女性3秒以内、高齢者4秒以内

身体所見
起立性低血圧:急性出血の場合:立位による脈拍増加30/分以上が循環血液量低下500-1000mlの指標となる
尿量
血圧
下大静脈径虚脱率 2cm かつ虚脱率が50%以上で脱水を示唆する

中心静脈圧
腹腔内圧の陽圧、心筋

PLR passive leg raising  45度ヘッドアップしてフラットに戻し、下肢を挙上して心拍出量

自発呼吸、人工呼吸装着、洞調律か不整脈で差がない
心拍出量の10±2%の増加で循環血漿量が維持されている
感度85%,
特異度91%
疼痛・不快感等によるカテコラミン放出
腹腔内圧上昇により正確な評価ができない可能性がある

動脈血圧の
12±4%の変動 循環血漿量が保たれている 
感度56%
特異度83%

Monnet X. Passive leg raising for predicting fluid responsiveness: a systematic review and meta-analysis. Intensive Care Med. 2016;42:1935-1947. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=26825952

Cherpanath TG. Predicting Fluid Responsiveness by Passive Leg Raising: ASystematic Review and Meta-Analysis of 23 Clinical Trials. Crit Care Med. 2016
;44:981-91. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=PMID%3A+26741579

Gan H, Cannesson M, Chandler JR, Ansermino JM. Predicting fluid responsiveness
in children: a systematic review. Anesth Analg. 2013;117:1380-92. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=PMID%3A+24257389

2016年11月23日水曜日

161122 皮下気腫(腹腔鏡手術)(研修医の先生)

リスク因子

小開腹してとロッカーを挿入して予防する
気腹針とトロッカーの盲目的挿入

腹腔由来:腹腔から胸腔内へ直接か後腹膜や皮下気腫を介してガスが侵入する
皮下気腫の発生頻度0.3-3.0%
高齢でやせ形
気腹圧15mmHg以上
ガスの流量、総ガス使用量が多い
5本以上のトロッカー
3.5時間以上の手術時間

超高齢者で皮下気腫によると考えられる高二酸化炭素血症

161121 PONV (研修医の先生)

PONV
リスク因子:麻薬の使用
前庭迷路系から第8脳神経

ドロペリドール 0.625-1.25mg iv手術終了時
デキサメタゾン手術前

4大因子でリスク評価をした上で予防を考慮する


2016年11月18日金曜日

161110 球脊髄性筋委縮症

球脊髄性筋委縮症
Spinal and bulbar musccular atropy Kennedy Alter Sung症候群
X染色体上のアンドロゲン受容体遺伝子異常
以上なアンドロゲン受容体が脊髄運動神経細胞に蓄積
以上なアンドロゲン受容体が運動神経細胞の核に集積
アンドロゲンがうまく働かない:女性化乳房


autophagyの経路をブロック

呼吸への影響に注意する

161114 大動脈弁狭窄

正常大動脈弁
大動脈弁腔面積 2.6-3.5cm2
大動脈弁腔面積係数,測定した弁口面積が1.0cm2を超えている場合でも,体表面積で補正した弁口面積係数が0.6cm2/m2以下である場合は重症

大動脈弁狭窄
重症度 弁口面積、最大圧格差 平均圧格差 最大血流速度、臨床症状、狭心症状、失神発作、肺水腫

頻脈になると心拍出量低下する、洞調律を維持する、前負荷を保つ

2016年11月17日木曜日

161117 ステロイドカバー(研修医の先生の発表から)

慢性的な副腎皮質刺激ホルモン抑制
強いエビデンスはないが、ガイドラインはある
視床下部-下垂体-副腎系hypothalamic-pituitary-adrenal axis HPA axis) 糖質コルチコイドは副腎皮質で産生され視床下部により分泌調節を受けているその調節系全体をHPAaxisと呼ぶ
長期にわたるステロイド糖質コルチコイド投与はHPA axisを抑制する
ACTH分泌がなくなると数週間の間に副腎皮質が委縮する
正常分泌 5-10mg/m2/dayコルチゾール
ステロイドカバー対象
過去1年間に3週間以上プレドニゾロン5-20mg/day相当を投与されている
投与量に関わらずcushing 症候群を有している場合
55歳以上の患者
強いエビデンスはないが、ガイドラインはある
プレドニゾロン5mg/day以上と以下で分かれる
HPA axisの反応の異常がある患者
Marik PE. Requirement of perioperative stress doses of corticosteroids: a systematic review of the literature. Arch Surg. 2008 ;143:1222-6. Levy A. Perioperative steroid cover. Lancet. 1996 30;347:846-7.

2016年11月11日金曜日

161110 デスフルランで ラリンジアルマスクを安全に使えるか

デスフルランの気道刺激性
ラリンジアルマスクを安全に使えるか
アンケート:どのような症例で使用するか:常に、好んで、肥満や高齢者、嫌い
アンケート:セボフルランとデスフルランでLMAを使うか:デスフルランで使用頻度低い
デスフルラン:気道反射が早期に回復するため、挿管だと覚醒時に患者さんが辛い思いをする:LMAなら挿入しながら応答可能である
DES使用でより早期に抜管が可能
Klock PA Jr. The effect of sevoflurane and desflurane on upper airway reactivity. Anesthesiology. 2001;94:963-7.

デスフルランは孤束核NTS細胞反応性を有意に増大させる。
呼気時間の延長をもたらす。この影響はTRPA1イオン導入により促進、TRPA1拮抗薬により減弱したことから、NTS神経細胞反応性へのTRPA1の関与が示唆された。
Mutoh T. Desflurane but not sevoflurane augments laryngeal C-fiber inputs to nucleus tractus solitarii neurons by activating transient receptor potential-A1. Life Sci. 2013 2;92:821-8.

2MACにおける気道刺激は、デスフルランに多い。
TerRiet MF. Which is most pungent: isoflurane, sevoflurane or desflurane? Br J Anaesth. 2000;85:305-7.

5.4%( ≒ 1MAC )における気道刺激は、麻酔前投薬されていないデスフルランで認めなかった。
Jones RM. Kinetics and potency of desflurance (I-653) in volunteers. Anesth Analg. 1990;70:3-7.
オピオイド麻酔前投薬により、デスフルランによる麻酔導入時の咳嗽が減少
Kong CF. Intravenous opioids reduce airway irritation during induction of anaesthesia with desflurane in adults. Br J Anaesth. 2000;85:364-7.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=PMID%3A+11103175

LMAで麻酔薬の間に咳嗽や喉頭痙攣の発生頻度の有意差なし
Stevanovic A. Airway reactions and emergence times in general laryngeal mask
airway anaesthesia: a meta-analysis. Eur J Anaesthesiol. 2015;32:106-16.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=PMID%3A+25545286