2017年7月28日金曜日

170728 慢性期脊髄損傷患者における 麻酔の必要性、及び注意点(研修医の先生のプレゼン)

慢性期脊髄損傷患者の手術では、無知覚領域での侵害刺激により、異常高血圧や反射性徐脈などを徴候とする自律神経反射亢進(autonomatic  hyperreflexia:AH)がみられることがある。
無知覚領域であってもAHをコントロールする目的で、全身麻酔や脊髄くも膜下麻酔などの麻酔管理が必要になる。

[主な臨床症状]
異常高血圧、反射性徐脈
頭痛、発汗、顔面紅潮。

*特に突発性の異常高血圧は、脳出血や不整
  脈など生命を脅かす重大な合併症をきたす
  可能性があるので、術中は厳重な麻酔管理
  が必要。

[手術侵襲以外の原因]
膀胱充満、便秘による腸管拡張、カテーテル留置や挿入・抜去

AHによる循環動態の変化を抑制するために

①末梢からの求心性の刺激をブロック
  →オピオイド(フェンタニル、レミフェンタニル)を用い
   脊髄後角のμ受容体に作用

②十分な鎮静を保ち中枢の興奮を抑制
  →プロポフォールや吸入麻酔薬を用いた鎮静
   ※鎮静度の評価のためBISモニター装着

LISA VOL.21  NO12  2014-12  脊髄損傷患者の麻酔
The  Journal of Japan Society for Clinical Anesthesia Vol.30 No.3,2010
脊髄損傷における排尿障害の診療ガイドライン
www.jscf.org/SIRYOU/ssk02/yyc11.htm

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