【頻度】
末梢神経ブロック・・・7.5~20/10000例(0.075%~0.2%)
硬膜外ブロック・・・4/10000例(0.04%)
本邦における1999~2002年の麻酔管理430万症例中
危機的な偶発例・・・784例
麻酔が原因とされる死亡・・・19例(1例は局所麻酔薬中毒)
【内容】
1;麻酔薬の不適切な選択や過剰投与・・・555例(70.8%)
2;高位脊髄くも膜下麻酔・・・140例(17.9%)
3;局所麻酔薬中毒・・・50例(6.4%)
4;アンプルや注射器の間違い・・・34例(4.3%)
5;不適合輸血・・・5例(0.6%)
【分類】
誤って、直接血管内に注入(誤注入)された場合・・・即時型中毒
➡いきなり痙攣や循環抑制が発現する可能性
極量を超えるなど過剰投与されることにより、
血中濃度が徐々に上昇した場合・・・遅延型中毒
➡段階的に中毒症状が発現
【対処法】
一般的に、中枢神経毒性は心毒性に先行して発現
・局所麻酔薬の投与中止
・マスクによる酸素投与
・興奮症状の進行の把握+適度な換気
痙攣発生時
・100%酸素投与による過換気
・抗痙攣薬としては、ベンゾジアゼピン系が第一選択
痙攣継続により気道確保が困難な場合
・スキサメトニウム:1mg/kg静注して気管挿管
【心毒性に対する対処法(例)】
〈対処法〉
・100%酸素を投与し、人工呼吸を行う
・血圧低下にはエフェドリン、徐脈にはアトロピンが第一選択
・心停止時
二次救命処置
蘇生薬として、アドレナリンやバソプレシンをはじめ様々な
薬剤の有用性が検討された
【局所麻酔薬中毒発生時の脂肪乳剤の投与法】
近年、脂肪乳剤を用いた対処療法(Lipid therapy)が有望な蘇生法として提唱されている。
20%脂肪乳剤の投与法
・1.5ml/kg(100ml)を約1分かけて投与
・0.25ml/kg/min(17ml/min=1000ml/h)で持続投与開始
・5分後
循環の改善が得られなければ、再度1.5ml/kg(100ml)を投与
同時に持続投与量を2倍の0.5ml/kg/min(2000ml/h)に上昇
・さらに5分後
再度1.5ml/kg(100ml)を投与(bolus投与は3回が限度)
・循環の回復・安定後もさらに10分間は脂肪乳剤の投与を継続
最大投与量の目安は12ml/kg
()内は体重70kgの場合
局所麻酔薬中毒への対応プラクティカルガイド参照
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